2024年2月より、ニュージーランド・クライストチャーチ郊外に住んでいるAo(あお)です。
日本での仕事を辞め、家族(夫婦・6歳男子・3歳男子の4人)での海外移住です。
今回は
ニュージーランドの図書館
について共有していきます。
海外の図書館に興味がある方の参考になれば幸いです。
ニュージーランドの図書館はこどもの天国
「図書館」に対して、どのようなイメージをもっていますか?
「静ずか」「本を読む場所」「勉強するところ」
といったイメージがあるのではと思います。
しかし、ニュージーランドの図書館はかなり異なります。
本があるだけでなく、LEGOや卓球台、さらにテレビゲームまで完備されているところがほとんどです。
おいしいコーヒーと軽食が楽しめるカフェが併設されているところも多いです。
もちろん、静かではありません。
こども達ががやがや笑いながら楽しむことができる場所として、とてもにぎわっています。
特に雨の日や学校の長期休み期間ともなると、こどもであふれかえっています。
私も、例えば雨が降ってしまったお休みの日には、こども達を連れてしょっちゅう図書館に来ています。
家にないゲームがあったり、卓球をやったりと思いっきり楽しませてもらっています。
ただし、こどもたちで騒がしいだけではなく、きちんとフロアやエリアで区切られていて静かに本を読んだり勉強に集中したりできるスペースもきっちり設けられています。
イメージとしては、こども用のエリアが三分の一くらいで、残りの三分の二が静かな従来型図書館といった感じです。
なぜ日本の図書館とこんなにも違うのか、少し考えてみました。
日本の図書館との違い
日本とニュージーランドの図書館の違いについて感じたことを整理してみます。
大きなコンセプトとして、日本の図書館は「本や資料を集積し、それらを楽しむ場所」という印象です。
たとえば以前住んでいた逗子の図書館には、その土地に根差した作家(石原慎太郎さん等)の本やその地域にちなんだ歴史書がたくさんありました。
集積された本や資料を集中して楽しむために、基本的には静かに保たれている必要があります。
そういった「本や資料」がベースとなり、それらを中心とした体験を提供しているのが日本の図書館の特徴だと思います。
一方のニュージーランドの図書館は、コンセプトからして大きく異なると感じます。
ニュージーランドの図書館は「コミュニティ活動の中心」という印象です。
毎日のように無料のイベントが開催されていて、たくさんの人が集まってきます。
例えばLEGO・テレビゲーム・手芸・英会話・ITワークショップなどなど、様々な年代の方向けにたくさんの活動が用意されています。
もちろん本や資料もそろっているのですが、それらはあくまでコミュニティに対して提供しているサービスのうちの一つにすぎません。
よって、静かにする必要もないので、みな普通の声の大きさで会話しています。
・日本の図書館は「本」が中心
・ニュージーランドの図書館は「コミュニティ活動」の中心
なぜニュージーランドの図書館はこんなにも楽しいのか
なぜ図書館がここまで多様なサービスを提供しているのでしょうか。
一つめの仮説としては図書館に対する期待値の違いがあるのではと思います。
日本と比較して、ニュージーランドは娯楽が少ないです。
ニュージーランドは、日本の国土の四分の三の大きさにもかかわらず、人口はわずかに500万人ちょっとです。
500万人というと、神奈川県の人口と同じくらいです。
人口密度が極端に低いので、たくさん娯楽のある栄えている街まで気軽に行けないエリアに住んでいる人が大半です。
そこで、公共施設として各地にちらばっている図書館に、娯楽の要素もつめこんだのではないでしょうか。
「図書館には何かしら楽しいものがあってほしい」という市民の期待が反映された結果が、現在のニュージーランドの図書館だと思います。
ニュージーランドの図書館が多様なサービスを有する二つ目の仮説としては、国民の年齢構成比によるものだと考えます。
こちらの人口ピラミッドを見ても明らかなように、日本は全体の35.5%が60歳以上であり、ニュージーランドより1.5倍ほど大きい数値です。
反対に、19歳以下はニュージーランドのほうが日本より1.5倍以上大きいです。
国民の税金で成り立っている図書館は、国民の要望を反映したコンテンツを用意されてしかるべきだと思います。
その点で、ニュージーランドは日本と比較してより若い世代にも魅力的な要素を多く含んでいるのではないかと考えています。
6歳と3歳の子どもがいる私たち家族にとっても、ニュージーランドの図書館はとてもありがたい存在です。
雨の日のおでかけ先のファーストチョイスが図書館なほどです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
今回はニュージーランドの図書館について記載しました。
これからもニュージーランドの生活で気になることや感じたことを残していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。