2024年2月より、ニュージーランド・クライストチャーチ郊外に住んでいるAo(あお)です。仮名ですいません。
日本での仕事を辞め、家族(夫婦・6歳男子・3歳男子の4人)での海外移住です。
自分にとっても家族にとっても大きな決断だったので何かしら記録を残しておきたく、時系列に沿って、実際に留学するまでの流れを記載します。
今回は
海外移住を決意した理由
手段として留学を選んだわけ
なぜニュージーランドを選んだか
について共有していきます。
これから留学を検討している方や、海外移住を検討している方の参考になれば幸いです。
イントロダクション
ニュージーランドに移住する前は、家族で逗子に住んでいました。
夫婦とも都内勤務だったため、結婚当初は東京都内に住んでいましたが、長男が生まれたあとに子育て環境を考えて逗子に移住しました。
逗子での生活はとても素敵で、通勤時間が片道1時間以上あることを加味しても全く不満はありませんでした。
逗子への移住についてもいくつかの記事にまとめていますので、気になる方はこちらからどうぞ。
なぜ海外移住?
ではなぜ、そんな逗子の生活から海外移住を目指したのか。
夫婦ともども、結婚当初から一度は海外で家族で暮らしてみたいという夢のようなものがありました。
あくまで夢なので、特に理由はありません。
ただなんとなく、「一度は日本以外の国で暮らしてみたいな~」という気持ちです。
海外に行けば日本では得られない体験ができるのでは、というふわっとした感じだと思います。
そんな夢をほとんど忘れながら生活していましたが、二人目が生まれたあと、子供の教育や自分自身の将来について考える機会が増えました。
子供には、日本以外でも活躍できる人になってほしい。もう少し具体的にすると、日本とその他の国との間に、言語や文化の壁を感じることのないように成長してほしい。
子供の将来を考えると、異なる国の環境に馴染むには早ければ早いほうが良いだろう。
逆もしかりで、子供が成長していくにつれて、海外移住という決断はしにくくなるだろう。
このまま海外で暮らす経験をしないで年をとっていくと、自分はきっと死ぬときに後悔するだろう。
悩んでいる時間はない。
ということで、海外移住を夢から計画に変更し、実行しようと決意しました。
それが2022年の2月、コロナウイルスにかかり1週間ほど一人で寝ていたタイミングでした。
日々の仕事や家事から離れて、深い考えごとをするには十分すぎる時間でした。
海外移住を決断した理由を大きくまとめると、
・海外で暮らしてみたいという夢
・子供の教育(英語が自然と学べる環境・多様な文化)
という2点です。
実際に移住するのが2024年2月なので、計画から実行までちょうど2年間かかった計算です。
移住までのスケジュールについてはこちらの記事でまとめています。
2年間というと長いようですが、いざ家族での渡航となると準備はかなりバタバタだった印象です。
もしも海外移住を検討されているのであれば、準備をはじめるのは早ければ早いほうがよいと思います。
なぜ留学?
海外移住の次のステップとして、どのような手段で海外に移住するかを決めなくてはなりません。
具体的には、どんなVISA取得を目指すかに言い換えることができます。
多くの方が最初に頭に浮かぶのは「Working Holiday VISA」、いわゆる「ワーホリ」かもしれません。
残念ながら、夫婦ともすでにワーホリの上限年齢は過ぎていました。
次の候補としては「海外の企業に転職」もしくは「国内企業の駐在員ポジションへの転職」かと思います。
VISAに置きかえると「Work VISA」の取得です。
私は外資系企業で勤めていたので英語は使えますが、残念ながらいきなり「海外拠点の企業に転職」できるだけのスキルや自信はありませんでした。
また、運よく「国内企業の駐在員ポジションへの転職」が叶ったとしても、家族で住みたい国に住めるかどうかは別問題です。
わがままですが、家族で決めた自分たちが住みたいと思う国に移住したい。
それが叶うのは「留学」という手段だけでした。
つまり「学生VISA」の取得です。
学生としてその国の文化に馴染みつつ、スキルと自信を身につけてから現地就職を目指すことが、自分にとって最良の手段だと考えました。
・ワーホリは年齢上限で除外
・海外企業への転職(Work VISA取得)はハードルが高い
・駐在員ポジションへ転職できても住みたい国に住める可能性は低い
・住みたい国に住めて、その後の現地就職にもつなげられるのは「海外留学」
このように絞っていき、できる限り長くその国に住むことを前提として、学生VISAでの移住を目指すことにしました。
なぜニュージーランド?
留学することまでは決めましたが、次はどの国でどんな勉強をするかです。
まず第一に、子供が自然と英語を話せるようになれる国であることが必須です。
ただし、アメリカは留学費用や安全面の不安から除外していたため、この時点でヨーロッパかオセアニアが候補になりました。
次に、安心して子育てができる国という観点でオランダ・北欧・ニュージーランドに絞りました。
調べてみると、オランダは12歳までの成績によって大まかな進路(大学進学を目指すのか、職業訓練か)を決めなくてはならないシステムでした。
大学卒業ぎりぎりまで進路を決めずにふらふらしていた自分の感覚では、子供にとってちょっと酷だなと感じ、除外することとなりました。
続いての候補は北欧です。
いろいろと調べて比較した各国の印象です。
- ノルウェー:生活費が高すぎる
- スウェーデン:移民問題が不安
- デンマーク:大学院を無事に卒業してもその後のVISA取得が超難関
- フィンランド:物価もVISAも頑張ればいけそう
こんな印象で、フィンランドが第一の候補になりました。
もともとマーケティングの仕事をしていたため、マーケティングと関連性の高いデザインシンキングという学問がフィンランドのアアルト大学で学べることがわかりました。
そこでアアルト大学への大学院留学を目標にすえました。
私はもともと理系だったため、デザインシンキングのコースを応募するために必要な文系教科の単位が足りず、オープンユニバーシティで単位を取得することにしました。
オープンユニバーシティとは、受験が不要で誰でも授業料を払うことで勉強ができ、正式な単位ももらえる短期間のコースです。
また、アアルト大学の志望コースに出願するために必要なGMAT(全世界共通の試験)の勉強も1年ほど継続していました。
こうして応募の準備を進めていたものの、早期の解決を望んでいたフィンランドの隣国が関係しているヨーロッパ内での戦争が長期化していました。
2023年4月には、フィンランドのNATO正式加盟も大きなニュースになりました。
留学での海外移住を決断してから1年と少しの時間が経ち、そのような状況が改めて留学先を考えなおすきっかけになりました。
そこで登場したのが、ニュージーランドです。
ニュージーランドは子供の教育に関するランキングで世界一位を獲得したこともある国で、英語や教育の観点では申し分ありません。
日本の3/4の国土にたった500万人しか住んでおらず、自然豊かな環境で子育てにぴったりです。
地政学的にも、近隣にある大きな国はオーストラリアくらいでその他の国からはかなり離れているため、将来的に戦争などの大きな問題が発生する可能性は低そうです。
一方で、ニュージーランドにはデザインシンキング関連のコースはほぼありませんでした。
そもそもフィンランドでデザインシンキングを学んでから、将来的にはこれまでの経験を生かして食品関連のビジネスを立ち上げたいと考えていまました。
そこで、食品関連の大学院を探すことにし、見つけたのが現在通っているリンカーン大学です。
リンカーン大学は農業大学としての歴史が古く、近年ではワインや食品関連で有名です。
また、比較的小規模な大学のため、出願後のアドバイザーによるサポートも手厚かったです。
※アドバイザーのサポートについてはこちらに記載しています。
VISAについても、ニュージーランドではマスターコースを卒業したあとは3年間のPost Study Work VISAというVISAが取得可能です。
志望するコースが1年間のマスターコースだったため、無事に大学院に入学して卒業ができれば、最低でも合計4年間は暮らすことができます。
さらにその後のResidence VISA(永住権の一歩手前のVISA)取得については、学位によって難易度が異なり、マスターコースを卒業することでかなり優遇されることがわかりました。
簡略化すると、マスターコース卒業後に1年間平均賃金以上のフルタイムの仕事をすればResidence VISAを申請することができ、そのあとの2年間は各年の半年以上をニュージーランドで過ごすことで、永住権の申請条件をクリアできます。
※VISA申請の条件は変更になる可能性があるので、必ずリンクをご確認ください。参考:New Zealand Immigration – NZ residence
留学する学生のパートナー(妻)やこどものVISA申請・取得については長くなるため、別記事にまとめています。
最後に、移住・留学する国をニュージーランドに決めた理由を整理したのがこちらです。
・子供の教員環境が整っている
・安心して子育てができる
・地政学的に安全
・通いたい大学院がある
もちろん人によって異なるとは思いますが、私たち家族にとってこの条件を満たす国が、ニュージーランドでした。
※ちなみにですが、ニュージーランドは車が右ハンドルで左車線なので日本と同じです。そういった面も小さいですが安心材料の一つではありました。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
今回は海外移住を決めた理由と、その手段としてなぜ留学を選択したのか、最終的にニュージーランドに絞った条件を記載しました。
次回以降、移住へ向けた準備についてより詳しく記載していきます。
引き続きよろしくお願いいたします。