
マーケティング業界でキャリアアップしたい。実際に転職した人の転職理由や志望動機が気になる。
こんな疑問にお答えします。
- 本記事の内容
- 実際に日系大手マーケティング部門→外資系マーケティング職に転職した筆者の転職理由と志望動機を共有します。
- また、マーケティング未経験からマーケティング業界への転職についても記載します。
- これからマーケティング業界でのキャリアアップを考えている方の参考になると思います。
- 自己紹介
この記事を書いている私は、新卒入社した大手日系企業で営業からマーケティング部門へ異動し、その後に外資系消費財企業のブランドマネジャーへ転職しました。



悩みましたが、今は転職して本当に良かったと思っています。
読者の方の役に立てるよう、記載していきます。
- 読者の方へメッセージ
私の場合はマーケティング経験者として転職しましたが、周囲には未経験から転職してきている方も多いです。
経験、未経験問わずに、読者の方に参考になるよう記載していきますね。
それでは本題に入っていきましょう。
1. マーケティング転職経験者の転職理由
まずは私自身がなぜ転職しようと考えたのか、参考までに記載していきます。
大きく分けて3つあります。



転職するにあたっての思考として、参考になればです。
⑴ 長期視点(人生100年時代)


簡単にいうと、まず最初はこの本の影響からです。
すでに読んだことがある方も多いと思いますが、もしなければぜひ一読してみてください。確実に人生設計の役に立ちます。



※最近LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略も出てました。
こちらもとても面白いですよ。
超ざっくりと本の内容を要約すると、以下の通り。
・世界的に寿命が大幅に伸びている
例:2007年生まれの日本人の半数は107歳まで生きる(G7の国は全て100歳を超える)*Human Mortality Databaseによる予測
・これまでの「教育→仕事→引退」という3ステージの生き方が変わっていく
・引退年齢が70-80歳になり、「仕事」に費やす時間が20年ほど長くなる
・同時期に就職、引退する画一的な生き方は時代遅れになる
・多様な働き方、生き方を自分で選択していく時代になる
日本でも定年延長や年金制度について様々な議論がなされてきていますが、これまで通りの方法がもう立ち行かなくなってきていますよね。
(私が元いた日系大手でも、50歳前後を対象にしたリストラがあり、お世話になった多くの先輩が去って行きました)
日本国内のことはなんとなく実感はしていたことですが、全世界について様々なデータを用いてわかりやすく著述されていて、とても納得できました。
この本から私が感じ取ったことは、以下2つです。
①どんなに素晴らしい会社だったとしても、会社が自分の人生を守ってくれるわけではない
②人生100年時代に必要なのは、変化に対応できる「柔軟性」(単一の組織内に居続けるのは、長期視点ではリスク)



「①会社が守ってくれるわけではない」は「当たり前だろ」と怒られてしまいそうですが・・・
新卒で日系大手企業に入社すると、給与だけでなく住宅手当や出産祝金・子供手当・持株制度・就業不能保険・団体生命保険まで完備されており、まさに「会社が自分の人生を最後まで守ってくれる」と感じてしまっていました。
一度入社すればほとんど解雇の心配もなく、そうした制度を享受できるのはすごいことです。「会社のために頑張ろう」とも思えますし。
ただ、あくまで一般論としてですが、
そうした素晴らしい制度にしがみついてしまう人がどうしても一定数いて、競争力が弱まってしまっているのも事実だと思います(働きアリの法則みたいなイメージです)
この先いつまでこんな制度が続くか疑問に思えてきた、というのが①の意味です。
「②柔軟性が重要」についてですが、この先働かなくてはならない期間が80歳まで伸びていくとしたら、必ずやどこかで環境が変わる≒転職する機会が出てくるなと。
誰しも、望む望まないに関わらず、そういった機会が巡ってくるはずです。



ちなみに経済大国アメリカの生涯平均転職回数は約10回らしいです。
会社を変えてキャリアアップしていくのは日常茶飯事、という感じですね。
転職しなくてはならなくなった時、「一つの会社でしか成果を出してこなかった人」と、「いくつかの会社で成果を出してきた人」とを比較した場合、単純に後者の方が価値が高いと見なされると思ったからです。
一つの会社に長くいると、その会社内のシステムと人脈に習熟しているだけである程度やっていけたりします。
ですが、そういったスキルはその会社内でしか生かせません。
環境が変わっても自分を変化させて成果を出し続けられる「柔軟性」が、この先必要なスキルになると思います。
⑵ ジェネラリストかスペシャリストか


前職の日系大手は定期的な人事異動があり、主なキャリアパスについては他の多くの日系企業と同様「ジェネラリスト志向」でした。
※以下、Wikipedia「ジェネラリスト」から抜粋
広範囲にわたる知識を持つ人のこと。大手企業においては総合職を指すことが多い。
対義語はスペシャリスト(Specialist)。
https://ja.wikipedia.org/
異動したい部署の希望は出せますが、原則人事についてはブラックボックスで、コントロールできませんでした。
多くの日系企業の総合職入社は、同じような感じだと思います。
そのため、地方営業から本社マーケティングに来てまた地方営業に戻ったり、本社調達部から地方営業に異動したりと、結構ドラスティックにキャリアが決まっていきます。
ほとんどの人が新卒採用・終身雇用される時代であればジェネラリスト志向でも問題ないと思いますが、
人生100年時代で人材の流動性が高まっていくとしたら、重宝されるのは「スペシャリスト」人材だと思います。



現に多くの企業がマーケティングのスペシャリストを外部から中途採用しだしてますよね。
今後は、「自身の軸となる職種を持っていること」が大きな強みになると思います。
私も、一つの企業内で様々な職種を経験するよりも、今後はマーケティングのスペシャリストとして成長していきたいと考えました。
⑶ 住みたい場所に住めるかどうか


昨今の感染症で少しずつ変化してきているみたいですが、日系大手企業は全国転勤ありのところがまだまだ多いですよね。
私も元々そうでした。
就職活動時は自分一人のことを考えれば良いので全国転勤で全く問題なしでした。
ですが、家族ができると状況は大きく変わります。



奥さんの仕事や子供の教育など、住む場所は家族の一大事ですよね・・・
実は以下記事の通り、第一子が生まれてから逗子へ移住しました。


私は家族で住みたい場所に住み続けるために、全国転勤がない企業を転職候補として探索しました。
住みたい場所に住めるかどうかは、ライフステージによって重要度が変わってきます。
私の場合は、この点も転職した大きな理由の一つです。
2. マーケティング転職経験者の志望動機


志望動機は、転職先で「やりたいこと」と言い換えることができますよね。
「やりたいこと」が「自分の強み」と繋がっていて、なおかつ「その理由」もロジカルだと、受け手側に対する説得力が大いに増します。
※「やりたいこと」と「自分の強み」の関係については、以下のサイトで記載されていることが近しいイメージです。
「Will=自分がやりたいこと」「Can=自分ができること」が重なるわけなので、それが最も現実的なキャリアの方向性だと考えることができます。
https://www.procommit.co.jp/knowhow/self-analysis
転職の面談で、いきなり
今までの企業ではこれをやりたくてもできなかったから、御社でやりたいんです!
と言われても、ちょっと難しいですよね。
私の場合は、具体的に以下のポイントを志望動機として文章化して臨みました。
【自分の強み(Can)】営業・営業企画・マーケティングという、サプライチェーンの上流から下流までで成果を出してきた経験
【やりたいこと(Will)】ブランドマネジャーとして、マーケティング戦略の立案から営業現場での実行までを一貫してマネージしたい
【なぜ(Why)】自身のリーダーシップとマーケティングの専門性をより高めたいから
ちなみに【なぜ(Why)】の部分は、この後5回くらい「なんで?」と聞かれてもロジカルに返せるくらい深掘りました。
なぜリーダーシップを高めていきたいと考えているかは、こちらの記事が参考になるかと思います。




「自分の今ある強みを生かすことで転職先でも活躍できて、さらに自己成長もするので将来的にもっともっと貢献できるようになります!」
というストーリーが作れると、相手側も納得しやすいと思います。
3. マーケティング未経験者の志望動機


これまで記載してきた通りで、マーケティング未経験からマーケティング業界へ転職するにも、自身の経験や強み(Can)をマーケティングとリンクさせる必要があります。



実は、それはけっこう簡単です。
「マーケティング」と一口に言っても、商品開発や広告の仕事だけではありません。
下記のように、マーケティングは「市場を分析して、誰に・何を・どうやって届けるか戦略を立てて、実行する」というプロセスに分けることができます。
それぞれのプロセスにおいて、多種多様なスキルが必要となります。
マーケティング業界への入口として、自身の経験や強みを活かせそうなプロセスでの転職先を探してみてください。
PEST・3C・5F・SWOTなどのフレームを活用しつつ、市場を分析して自社の機会を特定する。
【スキル】定量分析・データ管理・もしくは特定の市場に長く勤めていてめちゃくちゃ詳しい、など
市場分析結果から、「誰に、何を(どんな製品やサービスを)、どうやって届けるか」決定する。
【スキル】消費者調査、企画、デザイン、R&Dや製造部門での技術的経験など
STEP2で決定した戦略を実行する(広告やデジタル施策、流通施策など)
【スキル】広告、PR、Web、SNS、営業、販促など
上記プロセスの中でも、自社で製品やサービスを製造・販売する「事業会社」よりも、マーケティングを支援するサービスやシステムを提供する「支援企業」の方が、未経験からのマーケティング業界への入口としては比較的広いと思います。



特にSTEP1市場分析とSTEP3戦略実行が、支援会社が大きく関わるプロセスです。
※事業会社と支援会社については、下記の通り。
【事業会社】商品やサービスの製造・販売を主な事業としている会社(コカ・コーラ、P&G、マクドナルド、トヨタ、三菱UFJ銀行など)
【支援会社】それらの事業会社向けにマーケティング支援のサービスやITシステムを提供する外部支援会社(電通、博報堂、セールスフォース、マクロミル、IMJ、アクセンチュア・デジタルなど)
ここまでの話をまとめます。
マーケティング未経験者の場合は、下記の流れで志望動機を作成してみてください。
そうすれば、マーケティング業界の企業にとって、魅力的な志望動機になります。
「市場トレンドや競合状況を加味して、自分なりの戦略を立て、それを実行した」というような「経験」をベースに、
その中で発揮できた「自身の強み」(上記プロセス内のスキルのどれか)を「転職先でやりたいこと」とリンクさせる。
その他、いくつかの転職サイトが志望動機の例文をあげていたので、参考までにリンクをつけておきます。
おまけ:効果的な志望動機を書き上げるには


ここまで読んでくださった方はマーケティング業界への転職に強い興味があり、しっかりとした志望動機を書き上げたい方だと思います。
効果的な志望動機を書き上げるには、やはり転職エージェントに相談するのが一番早いです。
個人の経験や志向を踏まえて、企業にマッチした志望動機を一緒に練り上げてくれます。
私も実際にいくつかの転職エージェントに相談をして、納得できる転職先へと転職することができました。


詳細は上記の記事を見ていただければですが、こちらにも列挙しておきます。
>>リクルートエージェント|転職支援サービスの新規会員登録
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>>転職エージェント【パソナキャリア】
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ちょっと面倒ですが、企業によって紹介できる案件が異なるので、エージェントは複数登録しておくのがマストです。
以上です。この記事が皆さんの転職活動の参考になれば、とても嬉しいです。







